では、なぜ私たちはビットコインを世界通貨と呼ぶのでしょうか？

各国にはそれぞれ自国の法定通貨がありますが、国と国の間には適切な世界通貨が存在しません。金や銀は、この情報化時代には明らかに時代遅れになっています。実際には米ドルが世界通貨の役割を果たしていますが、米ドルはアメリカの支配下にあり、アメリカの覇権の延長線上にあるため、アメリカは通貨発行によって世界中から富を吸い上げることができます。したがって、米ドルは適切な世界通貨とは言えません。同様に、どの国の法定通貨も世界通貨としては適していません。しかし、ビットコインはインターネットさえあれば運用でき、世界中の誰もが使用できる、客観的かつ中立的でいかなる国の支配も受けない通貨です。理想的な世界通貨となり得るのです。特に深刻なインフレーションに苦しむ国々では、ビットコインはよりいっそう人々を救う意味を持っています。現時点でビットコインの価格変動が大きいのは、時価総額がまだ小さいためです。しかし、時価総額がある程度大きくなれば、価格も安定してくるでしょう。その時には通貨として何の問題もなくなるはずです。

現在「ブロックチェーン」の概念が大いに注目されていますが、忘れてはならないのは、まずビットコインが登場し、その後ビットコインに設計された一連の技術がまとめられて、ブロックチェーン技術となったということです。ブロックチェーンを語る際には、どうしてもビットコインを避けて通ることはできません。ブロックチェーン技術は、公益、スマートコントラクト、公証、保険、そして分散型金融（DeFi）など多くの分野で幅広い応用シーンがあります。ビットコインはブロックチェーン技術が初めて成功裏に運用された例であり、その意義は非常に大きいものです。

ビットコインには管理する中央機関が存在しませんが、16年間自律的に運用されてきました。その発展と拡大は、技術的な大きなイノベーションであるだけでなく、人類の組織構造における大きなイノベーションでもあります。人類史上初めて、ビットコインは無中央管理の状態で人類が行動を統一することを実現したのです。ビットコインネットワークの全ノードは平等な権利を持ち、誰かが指揮を執るわけではありませんが、すべてのノードが力を合わせて、完全に一致したブロックチェーン台帳を作り上げることができます。したがって、ビットコインは民衆のコンセンサスを体現しています。民の力は偉大であり、庶民が団結すれば、権力者も従わざるを得ません。最高権力者がビットコインにどんな改良意見を持っていても、謙虚な姿勢でビットコインユーザーを納得させ、自発的に受け入れさせなければならず、権力で押し付けることはできません。

つまり、ビットコインは人類史上初めて管理センターを持たない権力機構であり、すべてルールと協議によって運営されるコミュニティです。これは人類社会の組織形態を変革する偉大な革命であり、平和的な方法で人類文明の進歩を推し進めました。この「権力に屈せずルールを守る」「人治ではなく法治を」「独裁ではなく協議を」という思想は、人類の組織構造のイノベーションや、分散型コミュニティの構築に極めて重要な示唆を与えています。

それでは、今回の講義はここまでにします。最後に、私のすべての読者が最終的に経済的自由を実現できることを心よりお祈りいたします。