最近、身の回りで銀行口座が凍結されたという話をよく聞きますが、話してみると中には色々な事情があることが分かります。

まず最も一般的なのが「高額な見知らぬ送金による一時的な凍結」です。最近、銀行はこの種の取引に非常に敏感になっており、基本的には「まず3日間凍結」という対応を取ります。この3日間で銀行が資金の出所を調査し、問題がなければ通常3～7日で解除されます。たしかにこの対応は時に面倒ですが、詐欺やマネーロンダリング事件が多発している現状を考えれば、銀行が慎重になるのも理解できます。

本当に厄介なのは、他の2つのケースです。

1つ目は、仮想通貨の取引に関わる場合です。これは国内では非常にリスクが高いです。銀行があなたの口座と仮想通貨取引との関連を発見した場合、ほとんどの場合、即座に永久凍結されブラックリスト入りし、交渉の余地すらありません。なぜここまで厳しいのかというと、国内では仮想通貨取引自体が法的に保護されておらず、さらに仮想通貨業界は玉石混交で、不正資金や詐欺資金が頻繁に流れています。銀行はリスク回避のために一律で厳しく対応せざるを得ません。

ここで一つ注意点ですが、もし本当に窓口で凍結解除を申し出る場合、仮想通貨取引の記録を隠そうとしないでください。自分から言わなければ銀行にバレないだろうと考えがちですが、そうした甘い考えは逆効果になることが多いです。隠蔽が発覚すれば解除は絶望的なだけでなく、法的なトラブルも招きかねません。金融機関の前では正直さが何より大切です。

2つ目、そして最悪なのが「不正資金（いわゆるブラックマネー）」に関わってしまうケースです。この場合の凍結解除はほぼ運次第です。不正資金は重大な犯罪と関わることが多く、銀行の凍結は捜査機関の要請に協力し、資金のさらなる不正な流れを防ぐためのものです。このときは、たとえ窓口でどれだけ訴えても意味がありません。決定権は銀行にはなく、捜査機関側にあります。

結局のところ、こうした凍結措置は時に不便に感じられるものの、金融システム全体の安全を守るための本質的なものです。一般人として最善の策は、自分の資金の出所をクリーンに保ち、グレーな取引には一切関わらないことです。口座が一度凍結されてしまえば、失うのは時間やお金だけでなく、信用記録や精神的な負担も大きくなります。