今回の日本の利上げ、その影響の深さに多くの人が気付いていない。

まず一つの事実を押さえないといけない：過去十数年、日本は世界の「無料資金のATM」だった。超低金利のおかげで投資家は円を大量に借りて、それを米国株や新興市場、さらにはBTCのような高利回り資産に投資してきた——この手法はキャリートレードと呼ばれ、規模は20兆ドルにも及ぶ。

しかし今、利上げが実施され、ゲームのルールは一瞬で変わった。借入コストが上がり、円高も進行中、投資家は保有資産を売却して円に換え、借金を返済せざるを得ない。米国株が下落し、新興市場も動揺、リスク資産全体が打撃を受け、当然BTCも例外ではない。

さらに厄介なのは、日本が米国債の最大の海外保有国であること。資金が日本に還流すると、米国債を売却する可能性が高まり、世界中の債券利回りが直接上昇する。米国・ドイツの国債利回りも上昇し、グローバルな資金調達コストもつられて上がる。

これは単なる「日本の利上げ」ではなく、世界全体を揺るがす連鎖反応なのだ。