Prysmクライアントのバグにより、イーサリアムで一時的なバリデーター減少が発生

イーサリアム (ETH) ネットワークは最近、Prysmコンセンサスクライアントのバグによりバリデータの活動が急激に減少しました。これはネットワークが最新のアップグレード「Fusaka」を導入した直後に発生しました。

現在、ネットワークはほぼ回復していますが、この出来事はイーサリアムの安定性を維持するために異なるクライアントを利用し、システムを細かく監視する重要性を示しています。

Prysmのバグが一時的にイーサリアムのバリデータに影響

問題は、Prysmの開発者が自分たちのクライアントのバージョン7.0.0にバグを発見したと発表したときに始まりました。このバグによりクライアントが不要な古いデータを処理し、一部のノードが正常に動作しなくなりました。その結果、短時間ですがネットワークと同期し投票できるノードが減少しました。

開発者は、ユーザーに特別な設定でクライアントを起動するよう提案し、暫定的な対応策を示しました。Beaconcha.inのデータによると、エポック411,448時点でイーサリアムのノード同期率は75%、投票参加率は74.7%でした。

投票率は約25%低下し、ブロックを確定させるために必要な3分の2の多数派を失いかけました。この下落はイーサリアムの合意形成に問題を引き起こす可能性があります。

この大多数を欠くと新しいブロックは追加されますが、ブロックチェーンは完全にファイナライズされなくなります。これは、イーサリアムの安定稼働に依存するユーザーやアプリケーションにリスクをもたらします。

バリデータ参加率の一時的な低下後、イーサリアムネットワークが回復

執筆時点ではネットワークは大幅に回復しました。エポック411,712時点で投票参加率はほぼ99%、同期参加率は97%に達しました。今回のインシデント以前は、イーサリアムは常に99%以上の投票参加率を記録していました。

一時的な低下は主にPrysmクライアントを使うバリデータの比率に対応しており、障害発生後は約22.71%から18%に減少しました。これは、アテステーションの失敗が主にPrysmバリデータに集中していたことを示しています。

専門家によると、投票参加率が3分の2を下回る状態が持続すると重大なリスクが生じます。レイヤー2ブリッジが停止したり、ロールアップの引き出しが中断される場合があります。また、暗号資産取引所がチェーン再編成を防ぐためにブロック確認要件を引き上げる可能性もあります。

今回の問題はそこまで深刻化しませんでしたが、単一クライアントのバグが大きな問題を引き起こしうることを示しています。

クライアント集中によるイーサリアムのリスク

イーサリアムはこれまでも同様のリスクに直面してきました。2023年5月には、PrysmとTekuクライアントが古いアテステーションを処理する際のバグにより、メインネットが24時間で2度ファイナリティを失いました。当時、Prysmは多くのノードで稼働しており、単一クライアントへの依存の危険性が明らかになりました。

クライアントの多様性は改善されていますが、依然としてリスクがあります。MigaLabsの最新データでは、Lighthouseが52.55%のノードで稼働し、Prysmは18%です。今回のインシデント前はLighthouseが48.5%未満、Prysmが約22.71%でした。

もし最大ノード数のクライアントにバグが発生していた場合、イーサリアムは完全にファイナリティを失っていた可能性があります。

「Ethereum Faces Temporary Validator Drop Following Prysm Client Bug」はTheCoinrise.comに最初に掲載されました。